日野津
野村コメント:甲州街道の多摩川の渡しである日野津は、川の渕や
瀬の変化が激しいため位置が定まっていなかった。
旅人が渡船を待つ所は岸の上でなく河原に設けられ、
構造は竹と莚を組み合わせただけのものであった。店の
看板も手ぬぐいを莚に貼ったものである。
流動的な渡しの位置を踏まえると、岸の上の農地を
潰してまでして建物を作らず、洪水に遭っても損失が最も
少ない方法を採っていた。