市谷八幡宮

 或人の説に市谷は市の立し地なりし中央故に市買に作りたりといふ
 然れとも詳ならす 按に鎌倉八幡宮に蔵する所の延文三年十二月廿二日の基氏の古証文に
 鶴岡八幡宮の雑掌任阿申 武蔵国金曽木彦三郎市谷四郎等の事江戸淡路守押領を止む
 正和元年八月十一日の寄進状任せ社家に付して沙汰せらるへしと云々 証とすへし
 社地に戯台、楊弓の類ひありて常に賑はし又社前の大路は四谷への往来にて行人絡繹たり

 付注
  右奥から中央:みこし蔵、大日、くわんおん、本社、拝殿
  右中景右から:芝居、茶や、神楽所、かね、別当(かねの前)、土弓(中央)、いなり(土弓左前)
  中央から左手前:えんま(中央)、総門