一枚岩

 落合の近傍神田上水の白堀通にありて
 一堆の巨巌水面に彰れ藍水巌頭にふれて飛(サンズイ+歳?)す
 此水流に鳥居ヵ渕中 犀の渕等その餘小名多し
 此辺は総て月の名所にて秋夜幽趣あり

野村コメント:「サンズイ+歳」の字は、図書館の辞書でも見当たらない。
 振り仮名は「さい」とあり、この音では「サンズイ+宰」や「サンズイ+崔」が水しぶきを表す。
 字の形で近いのは「サンズイ+麗」が水しぶきの意味を持ち、長秋がこの字を書いたものの
 絵師雪旦か彫師かが間違えたとも考えられる。