![]() 石神井明神祠 野村コメント:立っている左の人物が広げている本は何だろう。 道探しをしていると思った百姓は、道を教えるから練馬大根を買えと言っているのだろう。二人の表情からは戸惑いが見える。 二人は脇差があるので帯刀を許された人物である。右の人物は脇差に手が行きかけている。 菅笠を携えていないことから、村図にない丸木橋と小道を調べに来た地元役人のように見える。 広げているのが長秋・雪旦の二人で本が名所図会だとすると、雪旦の合わせ鏡遊びとして面白い。 しかし、雪旦の自画像と言われている天キ之部「高幡」での絵とはまるで違うし、取材に脇差を帯びるはずがない。 幕府のお墨付きを貰っての取材活動とは言え、長年の長秋・雪旦の旅行の中では、地元役人や物売り百姓とのもめ事もあったのではないかと私は思う。 そんなことも気付く人には気づいてほしいと遺したのがこの一枚のように思える。 |