車返古事
野村コメント:車返は、来迎寺から直線で南南東へ13km余り離れている(都下府中市東部)。この絵は府中での情景である。
藤原秀衡が運慶に造らせた阿弥陀仏像を欲しくなった頼朝が無理やり鎌倉へ運ばせたところ、運搬車が府中で動かなくなった。 頼朝は、鎌倉に移していはいけないことと悟り、秀衡に車を返すよう伝えたところ、車は返ったものの仏像は現地に置かれることになった。
霊示を受けた来迎寺の僧が出向いて来迎寺に引き取ったというもので、左隅の僧は引き取りに来た来迎寺の僧か。