吾嬬森
 吾嬬権現
 連理の樟

 鳥がなく
 あつまの森を
 見渡せは
 月は入江の
 波そしらめる

        藤原恭光入道

 此和歌は戸田茂睡入道のあらはせし「鳥の跡」といへる和歌の集に載たりし自の詠なり
 そのはしにこの吾妻の森は東人といへるか住し所なりとあり
 この東人いかなる人にやいまた考へす

 付注
 左から中央:いなり、本社、神木樟
 右下:十間川(寝かせ書き)