三囲稲荷社
 元禄の頃当社の境内に一老嫗あり 参詣の徒神供をさゝくとき
 この老嫗田面にむかひて拍掌(てをうて)は
 一つの狐いつくともなく来りこれを食ふ
 老嫗世にあらすなりて後は 狐もまた出すとなり
 次に記せし其角の句はこのことをいへるなり
 [隅田川東岸]

 五元集
   早稲酒や
    きつねよひたす
     姥かもと

        其角

 付注
 中景右から中央:さくら木、御供所、本社
 手前川中:すみた川(寝かせ書き)