無題
木下川薬師如来のレイ像は延暦年間伝教大師叡山に在せし頃東国化益のため彫造せられ
やや半ばなる頃一夜この本尊のレイ示あるを以て竟にその像腰を刻さずして錦繍をもてこれを纏い
下野国大慈寺の広智といへる沙門の東国に帰らんとするに付属ありしかは本尊有縁の地なるを以て
木下川に安置なし奉りしこと浄光寺縁起に詳なり
注)レイは「霊」の俗字。「雪」の旁を上に、下に「火」。