巻の名前は、右上図に示した北斗七星それぞれの名である。天センと天枢を結んだ延長は北極星を指している。古代中国で北斗七星の形をなぞって散り蓮華状の匙を磁鉄で作り、水を汲む斗の先が皇帝の存在位置である北を指し、柄のほうが南を指すようにした(右下図参照)ことから「指南」という言葉ができたという。
長秋が「江戸の指南書」の意味まで込めていたと見るのはうがち過ぎか。