総持寺誘致の経緯は、揺光篇の「国府台雑記」で書いた。同じ曹洞宗だが永平寺が道元開基の伝統的な修行寺を守っているのに対して、総持寺は大学を開設するなど都市型・近代的な修行(?)を進めている。 平成21年7月、総持寺は国立競技場に本尊を出張して石原裕次郎の23回忌法要を行った。石原家と同じ菩提寺になりたいというだけの人を檀家に取り込もうとしたのだろうか。 正法眼蔵の一節を用いて裕次郎の生涯を評価したチラシを参列者に持ち帰ってもらう絶好のチャンスだった。こうした本来の宗教活動があれば、評価できるのだがそんな様子はなく、芸能事務所の下請けビジネスをしたに過ぎなかった。 生家の菩提寺が永平寺派末寺で、住職の分かりやすいお説教に馴染んできた私にはむしろ他宗派の天台宗のPR活動の方が好感が持てる。 |