江戸時代から浄真寺は九品仏と呼ばれていた。現在では「九品仏」とう駅名は知っていても、浄真寺という寺の名を知らない人が圧倒的である。 中国では、科挙制度が確立する前に人材登用制度として、中正官(人事担当)が人を九品(段階)に評価することが行われていた(九品中正法)。これは6世紀に科挙制度の確立に伴って廃止された。 仏教では、瞑想する姿勢の分類として手の構えを主体に九品が示されていたが、現世での九品中正法が影響したのか僧の修行の程度を分類するようになった。 日本では、浄土宗(浄真寺も)において一般大衆も生前の心構えや悪事への関与で死後の極楽浄土への経過が九種類あるとの教えに発展した。図会は、九種類の阿弥陀像毎にお堂があると紹介するに留めている。 九品中正法が上品、下品と言う言葉の源である。私が子どもの頃、親指の先と薬指の先を付けるしぐさはしないほうが良いと言われたが、これは仏像の印相で下品を指すからのようだ。 |