図会は宝仙寺の項で、享保13(1728)年に交址国(現ベトナム)から贈られた象を紹介している。雌雄2頭のサイズ、長崎で雌が死んだ後の雄の江戸までの行程、エサに触れ、天皇、法皇を始めとする観た人たちの短歌を集録して感動の様を表している。
 享保の改革が行き詰まりになってきた時期であり、吉宗は城内で飼うのが無理だと判断し、飼料を納めていた中野村の百姓に払い下げた。寛延の頃斃死とのことだから吉宗が将軍職にある間は生きていたが衰弱死し、遺骨が宝仙寺に納められた(馴象之枯骨)。

 【雑学クイズ】 象の音読みは「ゾウ」ですが、訓読み、つまり象の和名は何というでしょう。(ヒント:秋田県の人は知っています。)